シリコン・フッ素・ラジカル制御…塗料グレードの違いを徹底比較
「業者から複数の塗料プランを提示されたけど、何が違うのかよく分からない」「シリコンとラジカルってどう違うの?」
このように塗料選びで迷う方は多いと思います。外壁・屋根塗装に使われる塗料には複数のグレードがあり、耐用年数・価格・特性がそれぞれ異なります。
袖ケ浦市のような沿岸エリアでは塩害や湿気の影響も考慮する必要があるため、グレードの特性を正しく理解したうえで選ぶことが、長持ちする塗装につながります。
この記事では、現在の外壁・屋根塗装で主流となっているシリコン・ラジカル制御・フッ素・無機の4グレードを、仕組み・耐用年数・費用・メリット・デメリットの軸で比較します。
最後に「どのグレードが自分の家に合っているか」を判断するための基準も示しますので、ぜひ業者との打ち合わせ前に目を通してみてください。
外壁・屋根塗装で使う塗料のグレードとは

塗料は種類によって耐用年数や金額、原料となる樹脂が異なり、それらの違いによってグレードが付けられています。
塗料グレードには6種類あり、「アクリル」「ウレタン」「シリコン」「ラジカル制御型」「フッ素」「無機」に分類されます。
塗料グレードの基本構造——何が「グレード」を決めるのか
塗料のグレードを理解するうえで最初に知っておきたいのは、グレードの差は主に「樹脂の種類」によって生まれるという点です。
外壁塗装に使われる塗料は、樹脂・顔料・添加剤・溶剤の4成分で構成されており、耐久性や耐候性を左右するのは主に「どの樹脂を使うか」です。
現在の外壁塗装に使われるグレードは、シリコン・ラジカル制御が主流で、高耐久のものを選ぶ場合はフッ素・無機を採用するケースが一般的です。
付帯部に関しては、ウレタン塗料を使用する場合もあります。柔軟性と密着性に優れており、木部・鉄部・雨樋など「動きが生じやすい部位」への適性が特徴です。
グレードが上がるほど耐用年数は長くなり、その分1回の工事にかかる費用も高くなります。ただ、塗り替え回数が減るため、長期的なトータルコストが抑えられる可能性はあります。
耐用年数とは
耐用年数とは、塗料の機能が維持できる期間を指し、製品によって「期待耐用年数」が提示されています。この期待耐用年数は、塗料メーカーが行う促進耐候性試験と呼ばれる試験の結果を基に発表されます。
促進耐候性試験は、塗膜に太陽光よりも強い光を当てて早く劣化させ、塗装をしてから数年後の状態を再現する試験方法です。劣化状態を見て、どのくらい塗料が持つか推定したものが期待耐用年数になります。
ただ、室内で行われる試験なので、雨風や塩害などの劣化要素は含まれていません。そのため、実際に建物に塗装をして自然の影響を受けると、耐用年数よりも早く劣化症状が現れる可能性があります。
耐用年数はあくまでも目安ですので、必ずしもその期間劣化せずに良い状態を維持できるというものではありません。
シリコン塗料——現在もっとも普及している「標準グレード」
シリコン塗料は、アクリル樹脂とシリコン樹脂を配合した塗料で、現在の外壁塗装において最も広く使われているグレードです。コストと耐久性のバランスが取れている点が支持される理由です。
【耐用年数】
約10~13年
【費用相場】
2,300〜3,500円/㎡
シリコン塗料のメリット
費用と耐久性のバランスが最もとれているグレードです。比較的、汚れが付着しにくく、艶のある綺麗な仕上がりになるのが特徴的です。
施工実績が豊富で、各メーカーから数多くの製品が販売されているため、性能や色の選択肢も広い傾向があります。
シリコン塗料のデメリットと注意点
塗膜の伸縮性がやや低めのため、地盤の揺れや気温の寒暖差によって外壁材にヒビが生じた場合、塗膜が追従せずに一緒に割れてしまう可能性があります。
また、同じ「シリコン塗料」でもメーカーや製品によってシリコン成分の含有率が大きく異なり、含有量が少ないと耐久性も低くなります。
シリコン含有率が低い製品を高グレードのように提示する業者も存在するため、業者のオリジナル塗料は使用せずに、日本ペイントやアステックペイントなどの大手メーカーの製品を選ぶのが安心です。
ラジカル制御塗料——「シリコンと同価格でひとつ上の耐久性」が特徴
そもそもラジカルとは、顔料に含まれる酸化チタンに紫外線が当たったときに発生するエネルギーを指し、塗膜の樹脂や顔料にダメージを与え、チョーキングや色あせを引き起こす原因となるものです。
ラジカル制御塗料は、塗料が劣化する主な原因である「ラジカル」の発生を、光安定剤(ハルス)と高耐候酸化チタンで抑える仕組みを持つ塗料です。
「コストをあまり上げずに耐久性を伸ばしたい」という方に選ばれやすいグレードです。
【耐用年数】
約12~15年
【費用相場】
2,800〜4,000円/㎡
ラジカル制御塗料のメリット
チョーキングや色あせが起きにくく、劣化スピードを大幅に遅らせることができるのが最大の強みです。防カビ・防藻効果も備えており、日当たりの悪い箇所や湿気の多い北面にも有効です。
袖ケ浦市のような沿岸エリアで「少しでも塗り替え頻度を抑えたい」という方に向いています。
ラジカル制御塗料のデメリットと注意点
ラジカル制御の効果は白色顔料に含まれる酸化チタンが機能することが前提です。そのため、白色や淡い色の外壁では効果が十分に発揮されますが、濃い色や暗い色のラインナップは少なめです。
また、厳密に言うと「ラジカル」は樹脂の種類ではありません。そのため、実際の耐用年数は樹脂の種類によって決まります。
例えば、「シリコン樹脂のラジカル制御型塗料」というように、シリコン塗料・フッ素塗料それぞれラジカル制御機能を持つ製品が販売されています。
耐用年数・単価は、使用されている樹脂や製品により異なりますので、ラジカル制御型塗料を提案された場合は、必ず製品の詳細を確認するようにしましょう。
フッ素塗料——「長く住む家」に向く高耐久グレード
フッ素塗料は、蛍石を原料とするフッ素樹脂を使った塗料で、現在の外壁・屋根塗装において高耐久グレードとして位置づけられています。
費用は高くても良いから、できるだけ長持ちさせたいという場合に適しています。
【耐用年数】
約15~20年
【費用相場】
3,500~4,800円/㎡
フッ素塗料のメリット
耐候性・防汚性ともに高く、色あせや汚れが付きにくいため、塗りたての美観を長く維持できるメリットがあります。
また、単価は高めですが、耐久性に優れているので塗り替え回数が減り、生涯の工事費用を抑えられる可能性もあります。
フッ素塗料のデメリットと注意点
初期費用がシリコン塗料より高くなるため、家の残存年数が短い場合はトータルコストで不利になることがあります。
例えば30坪の住宅の場合、たとえば残り30年住む予定であれば塗り替え回数が1回減って費用面でメリットが得られますが、残り15年程度であればシリコン塗料との工事回数が変わらず割高になることもあります。
今の家にあと何年住む予定かを考慮して選ぶことが大切です。
無機塗料——最高耐久グレードだからこそ知っておきたい注意点
無機塗料は、有機物にガラスやセラミックなどの無機成分を配合した最高グレードの塗料です。
無機物は有機物とは異なり紫外線によって分解されないため、耐久性・耐候性が高く、防汚性やカビ・藻の発生抑制効果も他のグレードを大きく上回ります。
現在最も高価なグレードですが、長期的な塗り替えコストと足場代を節約できる可能性があります。特にメンテナンスに手間のかかる大型物件や商業施設などに適しています。
【耐用年数】
約20~25年
【費用相場】
4,000~5,500円/㎡
無機塗料のメリット
耐候性・防汚性・防カビ性いずれも最高水準です。耐久性を重視する方や、長く住む家に高品質な塗装を施したい方には合理的な選択肢です。
また、湿気が多い立地や袖ケ浦市のような沿岸エリアは、外壁に汚れが付着しやすい環境と言えるため、無機塗料を使用することで綺麗な状態を長期にわたって維持することができます。
無機塗料のデメリットと注意点
一般的によく挙げられるデメリットは、塗膜が硬いため弾力性に乏しく、外壁材にひびが入った場合に塗膜も一緒に割れやすいという点です。
もちろん間違ってはいませんが、ただ近年では割れに強い無機塗料も増えてきているため、「無機塗料=割れやすい」という従来の常識も徐々に変わりつつあります。
その他には、塗膜が汚れを弾く性質上、次回の塗り替え時に新しい塗料が密着しにくく、早期剥がれが起きやすいという課題もあります。そのため、再塗装を行う際は専用の下塗り材を使用する必要があります。
また、無機塗料の品質規格は業界で統一されておらず、無機成分の配合割合に明確な基準がありません。それにより少しでも無機成分が含まれていれば「無機塗料」と言えてしまいます。
無機成分の配合量が少なく、性能の低い製品を高額で提示するような悪質なケースもありますので、施工実績が豊富で信頼できる業者に、製品の詳細説明を受けたうえで選ぶことが大切です。
4グレードの比較一覧
各グレードの主な数値・特性を整理します。いずれも目安値ですので、実際の製品・施工条件により異なります。
| グレード | 期待耐用年数 | 単価(3回塗り合計) | 特徴 |
|---|---|---|---|
| シリコン | 約10~13年 | 2,300〜3,500円/㎡ | 現在の主流グレード。コストと耐久性のバランスが最もよい。 |
| ラジカル制御型 | 約12~15年 | 2,800〜4,000円/㎡ | シリコンとほぼ同価格帯でチョーキング・色あせに強い。淡い色向き。 |
| フッ素 | 約15~20年 | 3,500~4,800円/㎡ | 長期居住向け。足場代節約効果が大きい立地や大きな住宅で特にメリットが出やすい。 |
| 無機 | 約20~25年 | 4,000~5,500円/㎡ | 最高グレード。ひびが入りやすい外壁・木部には不向き。施工業者の技術力が重要。 |
こんな塗料を勧める業者には注意!
次のような塗料を提案された場合は注意が必要です。高額請求をしてきたり、粗悪な塗料を勧めてくる恐れがあるため、絶対に契約しないようにしましょう。
30年以上持つオリジナル塗料
「耐用年数30年以上のオリジナル塗料です」等と言って契約を取ろうとする業者も存在しますが、現在30年持つ塗料はありません。また、オリジナル塗料と謳っていますが、実際には塗料メーカーから買い取った製品のラベルを貼り替えているだけパターンが多いです。
たとえ本当に自社で開発した塗料だとしても、大手の塗料メーカーですら30年以上持つ塗料を開発・販売できていない状況で、一塗装業者が大手メーカーを越える塗料を作り出せるとは考えられません。
このような業者で塗装をしてしまうと、相場よりも高額な費用を請求されたり、30年経つ前に劣化が現れて想定よりも早めに塗り替えが必要になってしまう可能性があります。
3回塗りの単価が6,000円以上の塗料
最も耐用年数の長い無機塗料でも、3回塗りの単価は6,000円前後が相場となります。そのため、1万円近くする塗料を勧められた場合は要注意です。相場よりも高額な見積金額で、お客様を騙そうとしている恐れがあります。
また、見積書に「シリコン塗料:単価3,000円」と記載し、お客様には適正価格と思わせておきながら、実際は3回塗りの合計ではなく1回塗りの単価という悪質なケースもあります。このカラクリに気づかずに契約をすると、相場よりも高額な費用を支払うことになってしまいます。
見積書を見る際は、下塗り・中塗り・上塗りそれぞれの単価が書かれているかをチェックし、詳しい記載がない場合は必ず業者に確認するようにしましょう。
グレード選びの判断基準——「高ければいい」ではない
塗料グレードを選ぶ際には、初期費用の高低だけでなく、いくつかの条件を組み合わせて判断することが後悔のない選択につながります。
「今後何年住むか」が最初の判断軸
家に残り10年程度しか住まない予定であれば、無機やフッ素のような高耐久グレードを選んでも耐用年数を使い切れず、初期費用の高さが裏目に出ます。
その場合は、シリコン塗料で費用を抑えつつ美観を回復するほうが合理的です。一方、長く住み続ける家であれば、高グレードを選ぶほどトータルの工事回数と足場代が減ります。
外壁材の状態・種類との相性も確認する
ひびが入りやすいモルタル外壁や木部には、硬い塗膜の無機塗料は不向きで、弾性のあるシリコンやフッ素が適します。
外壁材の劣化が進んでいる場合は、まず下地処理をしっかり行い、劣化状況や外壁材の寿命などに合った塗料グレードを選ぶことが重要です。
袖ケ浦市の沿岸環境では「耐塩害性」も条件に加える
袖ケ浦市の住宅は、立地によって塩害の影響を受けやすい環境にあります。そのため、耐塩害性が明記された製品を選ぶこと、または耐用年数を1段階上のグレードで設定しておくことが、劣化スピードを考慮した現実的な対応になります。
地域の施工実績が豊富な業者であれば、どのグレードが袖ケ浦市の環境に合っているかをアドバイスできます。
まとめ
一般住宅で現在の主流となっているのが、シリコン塗料・ラジカル制御型塗料です。シリコン塗料は費用面と耐用年数のバランスが良く、ラジカル制御型塗料は紫外線による塗膜の劣化を抑えることが可能です。
フッ素塗料・無機塗料は費用が高めですが、耐用年数が長いため、耐久性・耐候性を一番に考えている方やビルや、マンションなどのメンテナンスに手間がかかる大型物件の場合にオススメです。
費用は高額になってしまいますが、長期的にみると塗り替え回数が減り、メンテナンスにかかるトータルコストを抑えられる可能性もあります。
30年以上持つ塗料や単価が1万円程する塗料を勧めて、相場よりも高額な見積金額を提示してくる悪徳業者も存在しますので、そのような業者は信用せずにキッパリと断るようにしましょう。
天羽塗装では、外壁材の種類・劣化状況・袖ケ浦市の立地環境を踏まえたうえで、最適な塗料・プランをご提案しております。
「どのグレードが自分の家に合っているか迷っている」「どんな塗料があるのか聞いてみたい」等、小さなことでも気になる点がございましたらお気軽に弊社までお問い合わせください。


